ピンポイント学習
レーダは船舶や航空機、気象観測などに使われてる電波だね。
【静止衛星通信とは】
赤道上空36000kmに浮かんでいる静止衛星に電波を中継させる通信のこと。
- 1周=24時間
- 電波の干渉を避ける為、地球➡衛星と、衛星➡地球の無線回線に異なる周波数帯の電波を使用。
アップリンク(地球➡衛星):地球局からは大電力で送信ができる為、電波の減衰の大きい高い周波数帯を使用。
ダウンリンク(衛星➡地球):衛星の送信電力に制約がある為、減衰の少ない低い方の周波数帯を使用。
地上目線で考えると分かりやすいね。見上げる方向に飛ばすアップリンクと、上空から降ってくるダウンリンク。
【レーダの特性とバンド名】
特性①:周波数が低いほどアンテナが大きい。
特性②:周波数が高いほど光に近くなり、一方向に鋭いビームを出す。
- Lバンド:0.5 ~ 1.5 GHz
- Sバンド:2 ~ 4 GHz
- Cバンド:4 ~ 8 GHz
- Xバンド:8 ~ 12 GHz
- Kuバンド:12 ~ 18 GHz
- Kaバンド:26 ~ 40 GHz
- Vバンド:40 ~ 75 GHz
Kuバンド以上の高い周波数では、雨や大気中のチリ・ホコリによって散乱・吸収されやすくなっちゃうよ。
【レーダの種類】
- パルスレーダ:短いパルス信号を発射し、物標反射波から物標までの距離を求める。
- ドップラーレーダ:連続信号を発射し、物標反射波との間のドップラー効果から物標の移動速度を求める。
- MPレーダ:水平偏波と垂直偏波の電波を同時に発射して偏波間位相差の情報を得ることで、高精度な観測ができる気象レーダ。
XバンドMPレーダは、局地的な大雨(ゲリラ豪雨)や集中豪雨に対応した観測ができるんだ!!。
過去問
令和元年度2級(学科・前期)No.05
問題
静止衛星通信に関する記述として、適当なものはどれか。
- 静止衛星は、赤道上空およそ36000kmの円軌道を約12時間かけて周回する。
- 静止軌道上に3機の衛星を配置できれば、北極・南極付近を除く地球上の大部分を対象とする世界的な通信網を構築できる。
- 衛星通信には、電波の窓と呼ばれる周波数である1~10GHzの電波しか使用できない。
- アップリンク周波数よりダウンリンク周波数のほうが高い。
正解:2
①の周回時間は24時間で、③の衛星通信には12や14GHzも利用されるよ。④の衛星から地球に向けてのダウンリンクは、衛星の電力に制約があるので低い方を使うよ。
令和元年度1級(学科・A)No.23
問題
衛星通信に関する記述として、適当でないものはどれか。
- 静止衛星の軌道は、赤道面にあることから、高緯度地域において仰角(衛星を見上げる角度)が低くなり、建造物などにより衛星と地球局との間の見通しを確保することが難しくなる。
- 複数の地球局が同一周波数で同一帯域幅の信号を使用するFDMAによる多元接続方式は、回線ごとに異なる時間を割り当てて送受信する方式である。
- トランスポンダは、衛星が受信した微弱な信号の増幅、受信周波数から送信周波数への周波数変換及び信号波の電力増幅を行う。
- 衛星通信では、電波干渉を避けるため、地球局から衛星への無線回線と、衛星から地球局への無線回線に異なる周波数帯の電波を使用している。
正解:2
②の回線ごとに異なる時間を割り当てて送受信する方式はTDMAだったよね。FDMAは回線ごとに異なる周波数を割り当てる方式だよ。
令和元年度2級(学科・前期)No.28
問題
レーダにより降雨観測を行うレーダ雨量計に関する記述として、適当でないものはどれか。
- MPレーダ(マルチパラメータレーダ)は、水平偏波と垂直偏波を同時に発射して観測する。
- 空中線から電波を発射して、雨滴にあたり散乱(反射)して返ってくる電波を収集することで観測を行う。
- Xバンドレーダは、Cバンドレーダに比べ低い周波数を使用するため、アンテナ直径は大きくなる。
- Cバンドレーダに比べXバンドレーダは観測範囲が狭い。
正解:3
XバンドはCバンドよりも周波数帯域が高い。そして高い周波数の方がアンテナは小型になるよ。
令和元年度1級(学科・A)No.43
問題
レーダ雨量計で利用されているMPレーダ(マルチパラメータレーダ)に関する記述として、適当でないものはどれか。
- MPレーダは、落下中の雨滴がつぶれた形をしている性質を利用し、偏波間位相差から高精度に降雨強度を推定している。
- MPレーダは、水平偏波と垂直偏波の電波を交互に送受信して観測する気象レーダである。
- 偏波間位相差は、Xバンドのほうが弱から中程度の雨でも敏感に反応するため、XバンドMPレーダは電波が完全に消散して観測不可能とならない限り高精度な降雨強度推定できる。
- XバンドのMPレーダでは、降雨減衰の影響により観測不可能となる領域が発生する場合があるが、レーダのネットワークを構築し、観測不能となる領域を別のレーダでカバーすることにより解決している。
正解:2
MPレーダは、水平偏波と垂直偏波の電波を同時に発射して偏波間位相差の情報を得ることで、高精度な観測ができる気象レーダだよ。
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