AstarNetworkロードマップを6つのキーワードを軸に解説してくれてる超ロングツリーがあったので日本語翻訳しました。 とても良い内容だったので共用します!!
Contents
1.XVM
AstarのXVMは、 EVM(Ethereum Virtual Machine)とwasm(WebAssembly)の環境を一箇所でシームレスにやり取りすることを可能にします。
Windows搭載コンピューターで、mac用のアプリケーションを使いたい場合を想像してください。 新たにMac搭載コンピューターを用意しなくても、Windowsコンピュータ上でmac用のアプリケーションを使用することができます。
この例えの場合、
EVM=Windows OS ブロックチェーンの世界での採用が進んだため。
WASMMacOS 技術的に洗練されているため Astarの #XVM は EVMとWASMがそのプロトコルで相互に作用することが可能。
XVMでは、開発者がRust、JavaScript、Goなど使い慣れたプログラミング言語でWASMでの構築でき、 同じプロトコル上でEVMスマートコントラクトを呼び出せる為、Web3をより普及させることができます。
理論的に可能かつ希望としては、 CosmWasm、NEARProtocol、ソラナXVMへの統合です。
2.@ink_lang (インク)
ink!(インク)は、#Substrate に対して、Rust言語でスマートコントラクトを記述することに特化したプログラミング言語です。 ※Substrateとは PolkadotとEthereumの全てのエッセンスを落とし込んだツールキットです。
ink!(インク)の大きな特徴として、WASMで実装されているため、様々な環境で実行できることが挙げられます。 基本的に、ink!(インク)のスマートコントラクトはWASMにコンパイルして、WASMをサポートするあらゆるプラットフォームで実行することが可能です。

しかし、ink!(インク)は、まだ比較的新しいプログラミング言語である為、監査を受けておらず、開発者向けのテンプレートも不足しています。 つまり、開発者はすべてを一から作り直さなければならないのです。
そこで、ASTARの創業者である@Sota_Web3は、ポルカドットにink!(インク)の開発提案を提出しました。 WASMのスマートコントラクトはEVMと異なり非同期で動作することができます。彼らはink!(インク)の用途を拡大したいと考えています。
XCMを使えば、他のブロックチェーンに非同期関数を送り、非同期性のおかげで応答を待つことができます。 これにより、パレットやモジュールを独自に開発しなくても、クロスチェーン機能を活用することができます。
Web3の開発者は、大きなパイの中ではまだ非常に少数です。 Web2.0の開発者が、Web3という新しい世界に溶け込むことを難しくしている要因は何でしょうか。
Web2.0開発者からWeb3開発者への移行は、 開発者ツールやテンプレートの不足、特定の専用のプログラミング言語を習得しなければならないという制約等が課題となっています。
Web 2.0と比較して、開発者のツール・技術・エコシステムが未熟であること、ビッグデータの保存と処理における非効率性、Web3領域ではIDやWalletの概念がWeb2と大きく異なるなど、シンプルながら根本的な課題があります。
この未熟な新世界では開発者のリソースが少ないことに加え、dAppは攻撃を防ぐために堅牢なインフラ上に構築する必要があるため、Web3の開発者は常にセキュリティについて考慮することを余儀なくされています。
ブロックチェーン開発では、1991年にウェブサイトを作成した段階と言えます。
ブロックチェーン領域におけるプログラミング言語の問題についてはどうでしょうか。 EVMは、現在最も多くのユーザーと開発者が利用しているスマートコントラクト環境です。 しかし、ブロックチェーンに特化しているため、Solidityのような高水準のプログラミング言語を使用する必要があります。
dAppsを開発する場合、開発者は構築するブロックチェーンプラットフォームの基礎知識を深く理解する必要があります。 彼らは、スマートコントラクトのガスコストに注意を払い、ガス消費を最小限に抑えるよう最適化する必要があります。
こうした制約を解決するソリューションのひとつ、WASMが2017年にリリースされました。 EVMがSolidityに限定しているのに比べ、WASMはC、C++、Rustなど、開発者が最も慣れ親しんだ言語や作業に最も適した言語を選択することができます。
それでも、最も活発な作業と開発はイーサリアムで行われており、開発者は他のどの選択肢よりもSolidityの学習とEVMへの適応を優先せざるを得ません。 WASMはまだ実験的な技術です。WASM 2.0は現在開発中です。

3.@swanky_wasm
Web3導入の最大の課題として、Web3開発者向けツールの不足を挙げました。
これらのツールは、開発者がCLI(コマンドラインインターフェース)を使い、異なる言語をコンパイルし、ローカルノードからスマートコントラクトをより簡単かつ高速にテスト・実装できるようにするフレームワークである。
また、先に述べた#Web3の導入が、ほとんどEVM側で行われているのはなぜでしょうか。 その理由の1つは、WASMと比較して、EVMには開発者がスマートコントラクトを書きやすくするためのツールやリソースがたくさんあることです。
このため、言語開発オールインワンのWASMツールとして、ink!(インク)を。 ツールキットとして、SWANKY_WASMを作成しました。
これによって、開発者はどのように楽になるのでしょうか? 強制的にdAppを作らせることなく、規定のプログラミング言語で開発できるようにし、すでにあるdAppの上にパレットを構築するためのリソースやツールを提供することで、より多くの人が利用できるようにしました。
Astarのエコシステムだけのものではなく、WASMでインクを使って開発したい人なら誰でもアクセスできて適用できるツールキットになるはずです。
RmrkAppは、すでにSwankyを使ってインクでNFTを作り始めています!。 彼らは、UniswapのWASMバージョンを作りました。
4.dAppステーキング
AstarNetworkは、アイデアはあるが十分な資金がない新規開発者をPolkadotのエコシステムに取り込み、クイックスタートができるオプションを提供する仕組み、dAppステーキングを実施しています。
dAppステーキングでは、ホルダーは好きなdAppにAstarトークンをステークすることができます。 選ばれたプロジェクトはAstarNetworkからのリワードを得ることができます
ブロックチェーン上でdAppsやスマートコントラクトを作成する際に高いガス代を支払うことは、Web3開発者の大きな問題の1つであると述べました。 そのため、Web3での開発にはコストがかかるという問題があります。
そのため、一人の開発者/小さなチームが、資金調達やVCの支援を受けずにWeb3に取り組み始めることは、かなり困難です。 dAppステーキングでは、Astarトークン保有者を通じてブロック報酬の分配を受けるオプションを与えることで、これを回避しています。
5.AlchemyPlatform
昨年末、Astar社はWeb3開発者向けの最も人気のあるプラットフォームの1つである@AlchemyPlatform と提携しました。
AlchemyPlatformは、ブロックチェーンプロトコルの上のプラットフォーム層と位置づけ、開発者が必要なツールやAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を持つことができるようにします。
Windows OSがWord/Chromeなどのコンピュータ上のアプリを作成できるように、Alchemyもブロックチェーン上のdAppsを作成することを目指しており、開発者にとってはプロトコルとdAppsの間のこのギャップを埋めようとしているのです。
AlchemyのAPIをAstarNetwork上で使用できることで、既存のEVM開発者がdAppsを作成できるようになります。 すると既存のEVM開発者がAstarと連携し、アプリレイヤーのさらなる開発/イノベーションを実現することが可能になります。
6.Startale Labs
日本は2023年の国家戦略として #Web3 を掲げています。 そのため、大企業もWeb3分野への参入を検討しています。
日本第4位の企業であるNTTのdocomoが、Astarに出資しています。 すでに日本では「#Web3」のシンボル的な存在になっています。
この物語を強化し、より強力なパートナーシップを築くために、AstarはStartaleLabsという会社を設立し、 PolkadotのParity TechやEthereumのConsenSysのようになりたいと考えているのです。
将来、運営会社が無くても、AstarNetwork は、ここに存在し続けることを意図しています。 まずは近い将来、Astarのテスト版的存在であるShidenNetworkをDAO化します。 これは、彼らのAstar Networkの長期的なビジョンでもある。
@StartaleHQ は、日本企業との連携、資金調達、Astar Networkへの統合をより容易にするための動きです。
StartaleLabsとして、WASMでのインフラ構築に注力するため、より多くの開発者を必要とし、雇用することになります。 Sota氏自身も、すでにTwitterで頻繁に求人広告を掲載するようになりました。
TwitterでPolkadot/Kusamaの開発者の活動状況をグラフにしたものをよく見かけます。 こうした図表や数字がエコシステムのすべてを示しているわけではありません。 しかし、イノベーションと飛躍的な成長を実現する為の最も強力な指標のひとつでもあるのです。
もうひとつ重要なのは、Web2.0の企業と違って、Web3は競争と協力に基づいた構造を持っているということです。 プロジェクトは、より大きなパイを手に入れたいと思う一方で、有機的に協力してパイを大きくしていこうとします。
特にブロックチェーン技術の未成熟な段階では、パイが相対的に小さくなってしまいます。 そのため、デザインの仕組みだけでなく、PolkadotやCosmosのようなエコシステム同士が連携することも大切です。 結局、競争はdAppレベルで求めるべきなのです。
Astarは、どんな経歴の開発者でも、どんな言語でもSwankySuiteを使って簡単にスマートコントラクトを作成でき、どんなアイデアでもdAppステーキングに載せて資金を獲得し、オリジナルのものを作ることを推奨しています。
Web3の将来を担うであろうWASMに投資する一方で、Windows OS上の非効率なアプリをMacOS環境で作るようなものでも、EVMに対応できるよう柔軟性を大切にしているのです。
このジレンマの中でAstarNetworkは、現在のニーズを考慮しながら、同時に将来のニーズに対応したインフラ整備を行い、短期・長期戦略を進めています。
英語版記事の完全版 SubsocialChain パラシェーン上に構築された初のソーシャルdApp「PolkaVerse」の詳細が掲載されています。